同類~侑吾side~

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彼女は俺の言葉に虚を突かれたのか…呆気に取られてしまった。 「見合いの席でハッキリと言えば、貴方に失礼かと思いまして、言えませんでした」 「平沢副社長・・・」 「申し訳ありません。真澄さん」 俺は彼女に真摯に頭を下げた。 この彼女のカラダから匂う甘ったるい香水の香り。 そして、あざとらしい涙。 男に媚び、同性の前ではガラリと態度を変えるんだろうな。 そして、香澄さんには母親共に刃を向ける。 俺と真澄さんが話をしていると奥中が銀のトレーでコーヒーを運んで来た。 「これ以上、貴方と話をする時間はありません。コーヒーを飲んだら、お引き取り下さい。真澄さん」 「貴方…名家の花京院家の血が欲しいだけでしょ?私も花京院家の人間よ。香澄じゃなくて、私でもいいんじゃない?私の方が貴方の身も心も満足させる事出来るわよ…」
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