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俺はソファに背中を預け、コーヒーを啜った。
「副社長、あれは言い過ぎでは?」
「あれぐらい言っても、大丈夫さ。それよりも暫く扉を開けておいてくれ。彼女の香水の匂いがプンプンする」
「彼女の怒りの矛先が香澄さんに向けられなければいいですが…」
「大丈夫、護衛を頼むつもりだ」
「護衛ですか??」
「相手は非常識にクレームを付けて、こともあろうに副社長室で俺を誘惑しようとした。俺が一番苦手とするタイプの女。何をするか分からないな」
「苦手と言っても、副社長は女性経験ないでしょ?得意も苦手もないと思いますが」
「はぁ?」
俺は奥中を睨んだ。
「独り言です」
「あ…彼女に出したコーヒー…お前が飲めよ」
「承知しました…」
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