社内の噂

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私は平沢副社長と外に出た。 そして、昼間のさくら通りを歩いた。 「何処までも、真澄さんは君を目の敵にするんだな」 「えっ?」 「社内の噂訊いてるぞ」 平沢副社長の耳にも我が社の噂が耳に入っていた。 「彼女、俺の会社にもアポなしで来て、文句を言っていた」 「えっ!?真澄がご迷惑を掛けました」 私は彼の前に出て、頭を下げた。 「君が謝る事ないだろ?」 「!?」 突然、私の頭に大きな手がポンとのった。 そして、その大きな手は優しく私の頭を撫でた。 私が頭を上げると彼の手はそっと離れた。 「あの…平沢副社長」 「二人の時は侑吾さんでいいよ。どうせ結婚するんだ。互いの名前を呼び合ってもいいだろ?香澄」 「・・・」
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