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「・・・二年前…IOSTで出逢った時から・・・その君が気になっていた」
「えっ?」
「仕事以外で頭を一杯にしたのは君が初めてだ。だから、花京院家の令嬢と見合いすると父から言われた時、嬉しかった。でも、見合い相手は君じゃなく、真澄さんの方だと知り、ショックだったよ。それでも、君の事を諦めきれず…真澄さんとの見合いを断り、君との見合いを再度こっちから申し入れた。非常識な事をしたと思っている。真澄さんを傷つけてしまった」
「平沢副社長…」
「それでも、俺は君を手に入れたいと思った。君を幸せにしたいと思った」
「私なんて…真澄に比べたら…」
「真澄さんと自分を比べるな。君は君だ…香澄」
彼は私の顔を真っすぐに見つめる。
長身で端整な顔立ちの平沢副社長。
私達の間に秋のそよ風は吹き抜ける。
風が彼のカラダから香る麝香の匂いを運んで来た。
「俺と結婚してください。香澄さん」
彼からの思わぬプロポ―ズ。
「はい」と返事すれば、彼を受け入れてしまう事になる。
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