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真澄と自分を比べるなと言っても、私はずっと真澄と自分を比べて来た。
返事しようにも真澄の存在が邪魔をする。
「ゴメンなさい…」
私が出した返事は謝罪。
「君が抗っても、既に俺と君の結婚は政略前提で決まっている。君の返事を訊くまでもない」
「侑吾さん・・・」
「君は流されるしかない」
「・・・」
「表向きは政略でも、俺は君の事がスキだ」
「!!?」
彼は雑踏の中で私を抱き締めた。
私の全身は彼の香りと温もりに包まれる。
――――私も初めて出逢った時から彼に惹かれていた。
彼と結婚するからには幸せになりたい。
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