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「俺には病弱な弟が居て…母は弟の世話で手が一杯だった。父は仕事ばかりで…俺の世話は祖母が一手に引き受けていた…俺は祖母から次期平沢家の跡取りとして厳しい教育を受けた…すべてにおいてトップでなくてはいけない。学校のテストだって満点でなきゃ許されなかった…今で言う教育虐待と言うヤツだな…」
侑吾さんは私に過去の話を始めた。
「・・・」
「・・・母の愛していたのは弟だけ…父が愛していたのは仕事だけ…祖母は平沢家の将来の安泰の為だけに俺に厳しい教育を施した…」
「・・・」
「君の家族の話を訊いた時…真っ先に思った…香澄は俺と同類だと…」
「侑吾さん…」
「・・・家同士の利益の繋がりのような結婚だけど…俺は香澄を愛してるから」
「ありがとうございます…」
「香澄はどうなの?」
「え、あ・・・ここで私も自分の気持ちを言わないといけませんか?」
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