切り札~真澄side~

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花京院邸 「許せない…許せない…許せないわ!!お母様」 父に自宅待機を命じられ、私は部屋にこもり、香澄に対する怒りで心がいっぱいだった。 そして、母に自分の怒りをぶつけた。今まで一度たりとも、私に手を挙げた事がなかったお父様にもぶたれた。 こんな屈辱を受けたのは生まれて初めて。 それにあの平沢侑吾の態度も許せない。 全部…香澄のせいだ。 「私よりも香澄を選ぶなんて…平沢侑吾は頭おかしいわ!!そう思うでしょ?お母様」 「真澄貴方の怒りはご尤もね…」 母は私に同調してくれた。 私よりも地味で華のない香澄が選ぶなんて・・・ 納得がいかない。 「お母様…どうにかして…二人の仲を裂く方法はないかしら?」 「・・・そうね…ない事はないけど…このまま二人を結婚させてあげなさい…真澄」 「そんな・・・香澄が先に結婚して幸せになるのよ。お母様…実の娘の私よりも姪の香澄の方が本当は大切だったの?」
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