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平沢家本家は三鷹市井の頭の高級住宅地の一角にあった。
緑豊かな静かな街並みが印象的。
平沢邸は緑豊かな庭園に囲まれた立派な洋館の三階建て。
「初めまして…侑吾の祖母の平沢タミです」
私たちの一階の奥の応接室でタミ様と対面した。
彼の話ではいつも眉間に皴を寄せて、気難しい雰囲気の人だと訊いていた。
彼の話通りの印象を受けた。タミ様は私を気難しい表情で見ていた。私よりも背丈は低いが、平沢家当主として威厳に満ち、大きな存在感を見せていた。
「・・・花京院香澄です…よろしくお願いします」
私はタミ様の存在感に圧倒され、名前を言うのが精一杯になった。
「・・・侑吾さん…貴方も省吾の話では随分と花京院家に対し、失礼な事しましたね…貴方は旧華族の名家の花京院家の令嬢を嫁に貰うのですよ。自覚が足りなさすぎます」
「・・・申し訳ありません…」
「まぁー…最初の縁談相手だった真澄さんの身辺調査の報告書を見て、納得はしましたが…」
「俺も深く反省しています。再度…俺の方から花京院家には謝罪致します」
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