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俺たちは夕食を断り、早々に帰った。
「帰って良かったんですか?」
「あぁ~香澄は何も心配するな…お婆様の言っていた同居の話は無しだ…俺がキチンと話を付けた…」
「でも、それでは私が平沢家の嫁として…平沢家のしきたりを学べません」
「平沢家のしきたりなんて…表向きだ…お婆様は香澄をいびりたいだけだ」
「・・・」
香澄は黙り込んでしまった。
「・・・今から…君を結婚後の新居に案内する…」
「えっ?」
「今、俺が一人で暮らしている麻布のマンションだけどな…」
「侑吾さんの部屋ですか…」
「・・・俺の部屋は二十階で…東京の夜景が綺麗に見えるぞ…」
「へぇー…見てみたいです」
「そっか…」
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