ビー玉泥棒

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 その後、僕らはアプリの連絡先を交換して別れた。  図書館に行く気を無くして、真っ直ぐ家に帰り、ベッドに仰向けになった。  手にしていたラムネ瓶を窓からの微かな光に掲げると、瓶もビー玉も、外の色と混じり合って紫色に光った。 *****   「島本君、何見よると?」  放課後、いつものように藤さんと一緒に勉強していた。  中学3年生の夏休み後は、ほとんどの人が部活から塾へと居場所を変えた。でも、『藤塾』で成績が上がった僕は、親から圧力をかけられることもなく、いつものように教室で二人きりで勉強デートしている。  トイレから戻ってきた藤さんは、僕の指に摘まれたビー玉を見て首を傾げた。 「昨日、久しぶりに会った友達とラムネ飲んだんやけど。ビー玉だけポケットに入れとって、そのまま持ってきてしまったっぽい」 「そうなん」  藤さんはいつもより少し素っ気ない返事をした。
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