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第1章 千鶴 2
ある晩、国分町通にあるガールズバー『ピンキーキャット』に久しぶりに顔を出した。
ここのマスターの並木さんは、俺が十代の頃から飯を食わせてくれたり、小銭稼ぎの仕事をくれたり、可愛がってくれていた。当時はキャバクラの雇われ店長だったが、今は独立して自分でガールズバーを経営している。
昨日、仙台駅前でばったり会って、たまには店に顔を出せと言われていた。
俺が国分町で金を稼ぐようになったのは、今から十年近く前、まだ中学生の頃だ。知り合いがやっているバーで、中学二年の時に皿洗いのバイトを始めたのが最初だった。十代のガキなんて珍しいから皆が可愛がってくれて、どっぷりこの町に浸かって生きてきた。
高校を卒業した頃から、国分町の風俗店を紹介する風俗雑誌の発行を手伝うようになり、それがきっかけで地元のタウン誌やウェブサイトのライター、印刷物のコピーライターをするようになった。
しかし、それだけで食べていくのは難しいから、今でも国分町の飲食店や風俗店でバイトを続けていた。
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