2年

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2年

 大学2年となり、妙な自信がついてきた。  何を成したわけじゃないけれど、一通りの季節を乗り越えると何故か強くなったような気がした。  いろいろ僕を取り巻くものも変化してきた。  レストランのバイトではリーダーを任せてもらうことができた。リーダーを任されるなんて初めてのことだった。  プレゼミの発表では人を誉めないことで有名な教授から「中身が濃くよかった。得心したよ」と褒められ、教室をざわつかせた。  そして、何よりも僕に起きた変化は、滝下彩葉とは廊下や教室で会うと声を掛けられるようになったことだった。 「あ、碧斗くん、おはよー」  この日も廊下で男子で喋っていると、滝下彩葉が僕に声をかけていった。ただ挨拶をされただけなのに、周りの男子友人たちは、 「なんで碧斗が滝下から声をかけられてるんだ?」  と群がるようにして質問してきた。滝下彩葉が、彼女が相当な美人であるとみんな知っていたからだ。 「なんでだろうなー」  曖昧に笑いながら濁すと、「何だよ、ちゃんと話せよ」と更に追及されたが、実のところ僕もよくわからなかった。
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