3人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ ようこそ! こっくりさんの店へ!
東京都浅草の夜中、テレビを見ている男女がいた。
男は口から泡を吹いて、白目を剥きながら、気絶をしている。女性はテレビを凝視をしていた。
その時、扉が閉まる音が聞こえた。
娘は、携帯を握りしめながら走っていた。
どこへ行くあてもなく、走っていく。
近場にコンビニがあり、コンビニ入って、泣きながら男の人に助けを求めた。
「どうしたんですか!」
男性のコンビニ店員が聞くと、少女は状況説明をした。
「お母さんとお父さんが、テレビ見ただけで、気絶しちゃった。どうしよう」
そこで、不審に思った店員さんはお巡りさんを呼んだ。
少女は案内をして家に帰ると、両親は心臓に包丁が突き刺さっていた。
少女は喉を枯らすほど絶叫をした。
そこから、少女は保護された。
少女はトイレと嘘をついて、交番から出ていき、浅草の朝の街を歩く。
色んな人が歩いていた。サラリーマンや、夜遊びをしているような不良学生。
少女は、虚の目で下を見ていた。
「喉乾いたなあ」
少女はそう思って、辺りを見渡した。
そこで惹かれたものがあった。古い喫茶店、「狐狗狸の喫茶店」とか意味不明な喫茶店があった。
オープンしているのはここくらいだから、少女は、ドアを開けて中に入っていった。
コーヒーのいい香りが漂ってきて、少女は心が落ち着いた。
喫茶店の中は、真っ暗だった。少女が怖くなって大声を出して聞いた。
「すいませーん」
カウンター席で、のそのそと誰かが起きる音が聞こえた。指を鳴らす音が聞こえたと思ったら、電気が勝手についた。
「あぁん?」
柄の悪い男性が起き上がってこっちを見てくる。腰まである長髪に、鋭い目つき。頬に傷ができている。服装はカフェ店員が着そうな格好をしていた。少女は肩を震わせ、逃げ出そうとしたが、いつの間にか後ろに少年がいた。
「お姉さん、何か悩み事ですかー?」
金色の短髪が跳ねていて、八重歯が生えていた。可愛らしい印象を与える。少年もカフェ店員の格好をしていた。
「おい、狐々丸。あんま茶化すんじゃねーぞ」
「はーい、餓狼さんも相変わらず、態度大きいな」
「おい、狐々丸さんに、餓狼さん。依頼人が置いてけぼりじゃないですか」
「悪いな、灯狸」
三人の会話を聞いて、少女はキョトンとしていた。
「あの」
聞いたこともない名前に、なんだか変な気配を感じとった少女は、どう対応すればいいのかわからなかった。
「ああ、悪かったな。俺は餓狼。この喫茶店のオーナーだ。まあ、副業で何でも屋もしているがな」
少女は目を見開いて、固まった。
「なんでも、解決してくれるんですか?」
震えた声で聞いた、三人は顔を見合わせて、改めて少女の方を見て頷いた。
「狐狗狸の喫茶店へようこそ。さあ、お前の悩みを教えてくれ」
「なんでも解決するよ」
「期待しねえ程度には頑張るさ」
その言葉を聞いて、少女は勇気を振り絞って声を出した。
「実は」
最初のコメントを投稿しよう!