95人が本棚に入れています
本棚に追加
War1:Prologue
アイドルの世界というのは満天の星空のようなもので何万、何億ある中から一際輝くものだけが注目され持て囃される。
同じ星でも全く目にもくれられず輝きを失うものもある。それでも星は星でいるしかない。
そんな世界にいたのは10年前――
まだ17歳と若く根拠のない自信だけがあった僕は初めて受けたオーディションで見事合格。
その後事務所でレッスンをし一年半後に華々しくデビューをしたのだ。まさに順風満帆な日々とはこの事。
デビュー後の活動はメンバー5人で切磋琢磨しながら夢は武道館!なんて言ってたかな。
ショッピングモールでの無人イベントや全く行った事ない地方営業もいつか立つ武道館への足掛かりと思っていた。
がしかし――終わりはあっけない。
売れないまま2年が過ぎグループはさらっと解散。
「学業に専念の為」「方向性の違い」
そんなかっこいい理由をつけるほど誰にも注目されてなかったのだから本当の事を言えばいい。
売れないから解散します!っと。
それから8年――
今は元アイドルの経験を生かして芸能事務所に就職し業界人として裏方やってます。ツテとかコネとか多いに使ってプライドなんてものはどこかに遠くに置いてきた。
大庭千遥 27歳
元アイドルだったのはいい意味で黒歴史。
就活だったと思えばいい。
後悔はしてないが……
やり残した事はあるかな。
最初のコメントを投稿しよう!