第二章

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暫く正樹はヒロとの口付けに夢中になる。 全身ずぶ濡れ状態で、2人とも欲で熱をもっていたものの、風邪を引いてしまう。職業柄、風邪を引いて利用者に移してしまっては大変だ。 身体の弱い子が多いので、ちょっとした風邪でも重症化してしまう。 これ以上この場所には居られない、だけど、欲望の灯火は消えないーー。 「ねぇ、ヒロ。俺ん家くる?」 ヒロは、嬉しそうにうんとうなづいた。 電車はとうの昔に止まってしまったので、タクシーで正樹の家に行く事にした。 普段では絶対有り得ない事だ。 いつもなら、あの街の適当なラブホテルに入る。絶対に自分の家に連れ込む事は無い。 だけど、ヒロは今までの男とは何か違う。 たまたま、光希の事を思い出し、たまたま雨が降って2人ともずぶ濡れになりながらキスしただけ、、、でも、光希以外にあそこまで感じたことの無い、電流が身体中に走った。 もっと、ヒロとその刺激を味わいたい。 そんな事を考えていると、ヒロは正樹の手を握ってきた。正樹は、昔を思い出すように、ギュッギュッと握る。何も知らないヒロは、面白がって同じようにギュッギュッと握ってきた。 そうしている内に、正樹の自宅マンションに着いた。 正樹は、ヒロの手を離して、ボソッと呟く。 「誰にもゲイだって知られたくないんだ。だから、、、」 「分かってる。ちょっと離れて歩くよ」 ヒロは、正樹に先に降りるように促して、タクシー代を支払った。 正樹がそれに気づいて、財布を取ろうとしたら、ヒロはいいからとタクシーを降りた。 ヒロは正樹の数歩後ろを歩いて、エレベーターに乗り込んだ。そして、自分の部屋がある階について、部屋の前までゆっくり歩く。 部屋の前に着くと、正樹は鍵を開けて、扉を開き玄関に入る。ヒロもその後ろに着いていく。 ヒロが入ってきたのを確認すると、施錠をした。 その瞬間、ヒロが正樹を抱きしめながら、激しい口付けが始まった。 先程までの熱が、また湧き上がってくる。 お互いの服をぬがせながら、正樹はベッドにヒロを促す。 ベッドに辿り着いた時にはお互い下着だけの姿になっていた。 正樹は、ヒロをベッドに押し倒しながら、熱い口付けをする。 衝動が抑えられないくらいの口付けを、繰り返していると、ヒロが正樹の背中に腕を回す。もっと深く欲しいと言わんばかりに、力を込めていく。 温かいお互いの肌をピタリとくっつけると、下着越しに互いの昂りがハッキリと分かる。 正樹は、ヒロの口付けを一旦辞めて、ヒロの首筋や鎖骨、胸と愛撫していく。その刺激が気持ちよくて、ヒロは喘ぎ出す。 「んっ、、、あっ」 その声に、正樹は更に加速して、胸の突起をねっとり舌を這わせて必用に刺激していく。 「あっ、そこ、あっ」 何度も両方の胸の突起が真っ赤になるまで刺激し続けた後、腹部、更に下半身を愛撫していく。 下着をずらし、ヒロの昂りを顕にした。 正樹は堪らず、ヒロの昂りをねっとり下から舐め上げ、口内に含んだ。 そして、器用に舌を使いながら、刺激を繰り返す。手を使ってさらに扱く。 「あっ、上手すぎ、すぐ出ちゃう」 ヒロは息遣い荒くしながら、その刺激を感じる。 その刺激がいっそう激しくなった時、ヒロの昂りは更に膨らみ、正樹の口内に欲望を爆せた。
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