第一章

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正樹は、自宅に帰り、自分の部屋に入る。 光希の日記を勉強机に起き、制服から私服に着替える。 そして、勉強机の椅子に座り、光希の日記と向き合う。 震える手をなんとか落ち着かせて、ページを巡っていく。 日記には、何気ない日常、学校や友達、部活での出来事や自分の思いを丁寧に綴られていた。 あるページから、正樹への密かな想いばかりが書かれていた。溢れ出そうになる想いを必死に留めておこうとしている光希の姿を思い浮かべると苦しくて、涙がつーっと流れる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ××年4月7日 高校1年生になった。正樹も同じ学校でしかも同じクラスだ。 嬉しい。神様ありがとう! ××年5月30日 うちの学校は全員何かしらの部活に入らなきゃ行けない。中学からずっとバレー部だったので、高校でもバレーをする事にした。正樹は運動がからっきしダメだから、将棋部に入った。てか、将棋ってジジくさいっ。 でも正樹は、今結構流行ってるんだからな!俺たちと同い年が活躍してるんだぞ?知らないのか?って真面目な顔して言ってきた。また軽く揶揄ってやったけど、正樹のその真面目なところ好き。本当に大好き。 ××年7月4日 来週から中間テスト。全然勉強ついていけない。 正樹とずっと一緒にいたかったから、背伸びして正樹と同じ学校を選んだ。超進学校だから、馬鹿な俺が受かるのが奇跡だった。勉強ついていけなくて当たり前だ。でも、正樹が家で勉強教えてくれるって。やばい。正樹と2人きりで正樹の匂いがする部屋で過ごすなんて。幸せすぎる。勉強に集中できないかも。 今から行ってきます! 正樹の家から帰ってきた。。 勉強の合間に休憩取ったら、正樹が机にもたれて眠ってしまった。 俺は、その体勢だと余計身体が辛くなるだろうって思って、正樹を抱き抱えて、ベッドまで運んだ。 正樹の寝顔を見ていたら、愛おしくて、好きすぎて、触れたくて、、、気がついたら正樹にキスしていた。 乾いた唇にそっと、、、。 正樹に気づかれないように、でも急いで帰ってきた。 もっとキスしたかった。 好き、、、好き、、正樹。きっとこの想いは届かない。
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