第一章

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××年1月1日 毎年恒例にしようと言っていてたのに、クリスマスイブから気まづくて、連絡取らずに元旦になってしまった。 あの人が正樹の代わりに一緒に初詣しましょうとか言って、半ば無理やり初詣した。 ただ、近所は色々まずいとかで、ちょっと遠い所まで連れていかれた。 あの人と過ごすのも、悪くなかった。ただ、それを本人に言ったら調子にのりそうだから、言わないでおこう。 ××年2月14日 最悪だ。 夏菜子が正樹に告白している所を見てしまった。それにキスまでしていた。 あれからロクに話さず、距離を置いていたら、、、。 そうか、正樹は夏菜子と付き合うのか。 だから、あの時 涙が止まらずにいると、あの人が話もせず、ただ傍にいてくれた。 正樹。正樹。好きなのに。夏菜子より絶対俺の方が好きな気持ちが強い。 ××年3月14日 おいおい、嘘だろ? 正樹が、クラスメイト全員の前で、夏菜子を盛大に振った。 夏菜子はこの日、正樹が夏菜子が好きだと言ってくれることを見越して、皆んなの前で私への気持ちを言って欲しいと言った。 そして、 「俺は夏菜子の事好きじゃない、ごめんな」と言って、教室を去って行く姿を、俺は廊下から見ていた。 呆気に取られてというか、クラスの奴らもクスクス笑っていた。ただ、夏菜子の取り巻きだけが、夏菜子が可哀想と慰めていた。どんだけ痛いやつなんだよ。 そう思って笑ってしまった。 だけどあの人に言われた。 「君は正樹君が好きなんでしょう?夏菜子さんみたいに盛大に振られて、皆に笑われたらどう思います?」 俺は、身勝手な奴だ。 そう言ったら、あの人はただ頭を撫でてくれた。 ××年4月1日 俺は高校3年生になった。そして、正樹と同じクラスになった。嬉しい。だけど、正樹とはあのクリスマスイブからまともに話せていない。 歯がゆい。 でも、正樹の整った顔や仕草、声、全てが愛おしい。 好き、、、好き、、、。 ××年5月1日 久しぶりに、正樹と喋った。 よりによって、一番面倒な体育委員になって、しかも体育委員長、長になってしまった。面倒だと落ち込んでいたら、なんと正樹も一緒にやるって。 優しい。 体育祭の話し合いの為、体育委員は理科室に集まって俺が議事進行し、正樹は書記、的確な提案や指示もしてくれたり、いやマジで俺より正樹のが長だろ。。。 ハイスペック正樹に、更に惚れた。 時々目が合うと、正樹は優しく微笑む。 可愛い、、、。好き、、、。 ××年5月19日 あれからまた、正樹と一緒に過ごす事が増えてきた。 昼ごはんも、二人で屋上で食べている。 意外と誰も来ないから、穴場だったりする。 何気ない会話をしていると、米粒が正樹の口元についていた。米粒を取ってやり、自分の口に米粒を運んだ。ちょっとセクシーな感じで。正樹真っ赤になってる。 このシチュエーション定番すぎるじゃんと思ったけど、チャンスとも思った。 2人横に並んで座り、ご飯食べ終わって、たわいもない話をしている時に俺は正樹の手に自分の手を添える。 正樹は、少し頬を染めながらも、そのままでいてくれる。 何その可愛い反応、、、俺勘違いしちゃうじゃん。
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