プローローグ

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パラパラとページをめくる音。 頭の中の、彼女の日記がめくれていく。 今僕の手元に彼女の日記はないけれど、あの頃あれだけ読み返したのだから、僕の頭の中に殆ど完璧に書き込まれている。 結婚4年目。27歳になった僕は、人生で最愛の妻と結婚しているのにも関わらず、仕事やプライベートでうまくいかなくなると、必ずと言っていいくらい頭の中の日記を読む。 一文字一文字が丁寧に綴られている。 少し癖のある字体が余計に記憶を定着させる。 僕は、彼女があの日記を書いた時の年齢を追い越してしまった……。 世間では決して許されることのない、教員と生徒との恋愛。 そのニュースが耳に入る度に、僕の脳内の日記は1ページ目へ戻るのだった。 歳を重ねることのない彼女との、出会いが記されたあのページへ……
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