毒リンゴは憂鬱

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毒リンゴは憂鬱

「お妃様役は(ゆき)ちゃんがいいと思いまーす」  小学生の時の学芸会は、毎年のように悪役を務めていたっけ。  生まれつき、つり目の三白眼で気が強そうに見えるのか、第一印象は怖い人。  いつしかそのイメージは本物になって。  ある時、一番仲の良かった親友がクラスのリーダー格の女子グループから陰湿な虐めに遭い、私は必死に庇っていた。  だけど気づいたら、彼女達の標的は私になり、女子全員から無視されるように。  そう、勇気を出して守ろうとした親友さえも、薄ら笑って私を省いた。 『雪ちゃんは怖い。性格が顔に出てる』って。  嬉しそうに私をお妃様に推薦したのも、プリンセスの顔をした親友だ。
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