自覚と嫉妬

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首を傾げる。 桃香先輩は俺を睨みつける。俺は何も悪いことをしていないのに何で睨まれるのか理由が分からないけど、突き放されたようで胸が痛んだ。 「叔父さんの……後藤先生のところから寮に帰れなくなって……」 「ほら、間違ってないだろう」 梓先輩は桃香先輩を押しのけるようにして立ち上がると、「じゃあ、僕は帰るから」と手を振った。 それを桃香先輩が追いかけて行く。 背中に引っ付くようにして梓先輩の耳元で何か話している。 その声は聞こえない。 梓先輩は笑って答えながらこっちに振り返って、「響ちゃん。またね」と桃香先輩を連れて行ってしまった。 俺はその2人を見送りながらなぜか苦しくなる思いを抱えて目の前の寮に駆け込んだ。
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