好き

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好き

 目が覚めて瞼を開くと、隣に眠っている君を見つけた。    大好きだった人に振られたと、泣き腫らした目元がまだ赤くて、そっと指で撫ぞる。    それほどに想われていた姿の見えない彼女の存在に、自分の中にある嫉妬心が溢れてきて、胸が張り裂けそうなほど苦しい。 答えはとても簡単―― ずっと君のことを見ていたから。 どんな時でも 君だけを想っていたから。 ――好き―― その一言が言えたなら どんなに楽だろうか? そんな言葉が頭を過った。
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