No.2 「ありがとうを かみしめて」

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No.2 「ありがとうを かみしめて」

次の日 病室のカーテンの隙間から差し込む光で、眼を開く。 あーあれは、夢じゃない本物の神様からの呼び出しなんだ、と改めた。 神『淳平、このやり取りは告げてはならぬぞ、善いな』 と頭の上からささやかれた。 久しぶりの意識があることが新鮮で、カーテンの隙間の光に目を開ける。 淳平「あーあーっ」 声を確かめる。 眠り続け2ケ月、意識に感謝があふれている。 すると 「スースートン」(スライド・ドアの音)母が入室する。 母「淳平」 手を握り、何度も呼称している中、ぎゅっと 握り返した。 ハッ とし 涙を浮かばせる、 母「意識戻ったのね、よかった」 淳平「母さん、ありがとう、それが言いたかった」 母「何、言ってるの最後みたいに」 涙声の濁った声が響く。 淳平「うん、そーじゃなくて不安だったから思わず」 と誤魔化した。父も病室に来た。 父「淳平早く元気になれ」 淳平「父さん、ありがとう」 それ以上言えなくて、眠るふりをした。父は沈黙し 病室を後にした。 両親には申し訳ない心はずぶ濡れを、全部吸収し、これから一緒に生活できるような明るい未来を会話で演技をした。 2日間が経過し約束の3日目の夜。淳平は、息を引き取る。
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