NO.1「神様の呼び出しに 応じる為の条件」

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NO.1「神様の呼び出しに 応じる為の条件」

あたたかい家庭で、のびのびと育つ城蔵しろくら 淳平 12歳。 二週間前、突然気絶し、緊急入院した。 「淳、元気になって、もうすぐ中学生でしょ、バスケットボール部の入部楽しみにしているんだよね。神様お助けください」 母は病室で毎日祈る。うっすらと、声は聞こえる。 検査しても、原因がわからず入院し植物状態である。 ある夜、淳平は夢を見る。 『淳平、わしは、天界の神じゃ、お前に、頼みたいことがある。だから、天界に来てくれ。話は、それからする』 でも、眠ったままである。心の中は迷う。やりたいことを残し、言いたいことも両親に告げず、死ぬなんて嫌だ。一体どうしたらいいのか。植物人間・天界で神と話しするか。究極の選択だ。 もう一度夢を見たい、必死に思う淳平。いつまでに決断しなきゃいけないのか、どちらにしても、決めるのは、ほかの誰でもない、己なのである。 絵をかくことが好きなので、絵に関わる仕事がしたいと思っていた。 更に、1週間経過する。 これは、運命なんだ、神様が僕を選んでくれたのだ。最後に「ありがとう」伝えたい。そう願っていた。 激しい雨、雷の夜。 神が現れた霧のようなものに包まれている。ぼんやりとしてハッキリ見えないが、声は聞こえる。 神『淳平、覚悟は決めたか』 淳平『一つお願いがあります。最後にお母さんと、話がしたい、意識をくれるだけでもいい、できませんか、そうしたら、天界へ行くことを決めます』 神『そうだな。よかろう。じゃ、3日間意識を与えよう、存分に話しなさい』 淳平『ありがとうございます』 スゥーっと、空気の中に消えていった。 不思議な出来事だった。 いつになく、ぐっすり眠りにつく淳平。
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