(一)

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 古山はテレビの画面をぼんやりと見つめていた。そして時々テーブルの上の不採用通知の紙をつまんで文面を眺めてみたり、ため息をつきながら物思いにふけり、それが一巡すると、その紙を放り投げるなどした。  その紙がひらひらと床に舞い落ちる先のテレビでは、芸能プロダクションでありお笑いで有名なオシモト興業が運営する「お笑い学校」のCMが流れていた。  その一ヶ月後、古山は左手にA4サイズの茶色の封筒を手にして、梅田駅の東口から徒歩数分の所にあるビルの前に立ってビルを見上げていた。  そのビルの入口にはオシモト興業が運営する、「お笑い学校・入学願書提出はこちら」という看板が立てられていた。 (続く)
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