(二)

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 親子連れも多く、乳飲み子から中学生などの子どもたちも多くいた。  ネタを披露し、ドリフのコントように、古山の頭に金だらいが落ちてくるオチで締めた。 「ありがとうございました~」  三人はお辞儀をしてから舞台から降りた。  観客たちの反応は静かだった。むしろ店内放送や買い物客らの賑わいの方がうるさいほどだった。三人がコントを始めた頃以上に静かだった。  ある子どもはきょとんとした顔で隣に座る若い母親の顔を覗き込んでいた。その母親も、舞台の上で起きたことの意味をよくわかっていないようであった。 (続く)
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