23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜

『俺の大好きなお姫様🐱』

みなさん初めまして。俺の名前はミャー。

俺は三毛猫のオスで誕生日は3月8日。今年で4歳だ。好きなタイプはよく笑う猫みたいな女の子。ちなみに嫌いなタイプは俺様、独占欲の強めの奴……なんだけど、
まぁ、そんなことは置いておいて、今から俺と美弥の話を聞いて欲しい。

まず始めにさ、みんな俺の名前って美弥がつけたと思ってるかもしれないけどそれは違う。

──俺の名前は元々ミャーだから。

俺が小さかった時は俺にも母ちゃんや父ちゃん、兄ちゃんもいた。けれど、父ちゃんは病気で死に、母ちゃんは車に轢かれて死んでしまったんだ。唯一の肉親だった兄ちゃんは俺のために遠くの街へ食べ物を探しに行ってそれっきり。
たぶん……何かあったんだと思う。

でもそれを突き詰めたり考えたりすると悲しくて涙が止まらなくなるから、俺は兄ちゃんのことを考えないようにすることをした。

そうして俺は物心つく頃には気づけば、ひとりぼっちだった。

そんなひとりぼっちの俺が美弥に初めてあったのはある雨の日──23時だった。