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これで終わってしまうのだと思っていたところで、会場内に桃の花びらが舞い、HARUとHIROにスポットが当たり、流れるようなギターのデュエットが耳に届く。
桃華は流れ始めたしっとりとした前奏部分に思わず頬を緩ませた。
『桃色恋華』だ。
やがてステージの中心でスタンドマイクを持つTAKUにスポットが当たる。
「聖なるクリスマスの夜。愛するあなたにこの歌を捧げます」
TAKUの声にワアアアアーと黄色い歓声がわき起こる。
瞬間、全体にライトが当てられ、桃色恋華のどことなく切なく甘い音色と歌声が響いた。
TAKUは時折、桃華の居る方を見つめながら力強く歌い上げているようだった。
あの日あの瞬間から
あなたに確かに惹かれていた
明るい笑顔 可愛らしく照れる顔
ふとした拍子に見せる切ない影
あなたを知れば知るほどに深みにはまっていった
ひとりじゃ抱えきれない想い
小さなカラダに抱え込み
身動き取れないあなたを 未来に連れていきたい
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