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「はい。メリークリスマス、桃華」
桃華が驚いたように左手首を上げると、そこは月明かりに照らされてキラキラとした輝きを放っている。
金色の繊細なチェーンには、所々に可愛らしく光るピンクダイヤが光って見える。
「わあああっ! 素敵なブレスレット! ありがとう、拓人」
桃華はうっとりとした表情で、自分の左手首を見つめた。
「見た瞬間、桃華っぽいって思ったんだ」
拓人は少し照れ臭そうに笑った。
しばらく左手首を見つめたあと、桃華は「あ!」と思い出したように手のひらを叩いた。
すぐにゴソゴソと桃華は自分のトートバックから小箱を取り出して拓人に差し出した。
「こ、これっ! 頑張って焼いたの! 拓人のお口に合うか分からないけど……」
頬を赤らめた桃華に、恥ずかしそうに見つめられる。
目の前の箱を受け取り中を覗くと、焼き菓子が入っているのがわかった。
きっと桃華が一生懸命作ってくれたものなのだろう。
「ありがとう。すげえ嬉しい」
「本当? でも、拓人って料理上手だから……拓人が作るよりかはイマイチかも」
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