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「柚子、俺と付き合って。絶対、大事にするから」
俺がそう言うと、柚子は嬉しそうに
「うん」
と答えて、花が咲きこぼれるように笑った。
やった!!
俺の初恋、叶った。
「じゃ、連絡先、聞いていい?」
「うん」
俺は携帯を出して、柚子と連絡先を交換する。
「俺、明後日の午後、東京に帰るんだ。だから、その前に、もう一度会いたい。柚子、明日、空いてる?」
俺は、早速デートに誘う。
「ごめん、明日は友達と約束があって。でも、明後日なら、大丈夫だよ」
そう答えた柚子は、目が合った瞬間に笑顔のまま恥ずかしそうに目を伏せる。
これ!
俺、柚子のこういうとこ、めっちゃ好き。
「じゃあ、明後日。午前中だけでも会おう!」
俺がそう言うと、柚子は、またくすくすと笑う。
「違うよ。午後も」
午後?
「え? いや、ごめん。俺、もう新幹線のチケット、買ってある……いや、いいよ。柚子のためなら、キャンセルして最終の新幹線にするよ」
俺は、そう答えるけれど、柚子は相変わらずくすくすと笑い続けていて……
どうしよう。
めっちゃ、かわいいんだけど。
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