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穀倉コント
ザールという惑星がある。詳しい位置は知らない。
何しろ恒星間連絡船の3等客室には窓なんてついてないし、仮にあったところで途中で超空間航法を何度も使うんだから、外を見てたってすぐに場所がわからなくなる。
そのザールって星には地球からの開拓移民が続々と入植して、200年足らずの間にいくつもの国ができて第2の地球かってくらいに盛り上がってる。そしておれはこのザールに地球の清涼飲料水を売りこむため、まずはザールで1番栄えてるメリオカって国の政府の公邸に滞在してる。
地球に帰る連絡船が来るのは地球時間で半年くらい先なのでそれまで寝起きする場所が必要だし、メリオカにとってはおれをかくまうことで、地球の情報やコネが独占的に得られるっていうメリットがあるのだ。
こんなWin-Winな関係のもとでおれは地球とザールを往復しては、メリオカの大統領やその側近たちと雑談まじりの話をしたり、国内のメーカーと提携して工場を建てたり地球から持ちこむ材料を検討したりと忙しい毎日を過ごしてる。
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