第四ポイント 沼と人生酒場

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第四ポイント 沼と人生酒場

おや、いらっしゃい。えっ、こんな真っ昼間から営業してるのかって。 ここは人間の手が触れない場所ですよ。アンタッチャブルアンタッチャブル。 様々なお楽しみでオモテナシしますよ。ええ、お代なんて野暮は言いません。 えっ。後ろに誰かいる。いいえ。今日はお客さんが第一号ですよ。 何ですって。首から下が。ああ、ひょっとしたらお客さん、私が三人に見えてませんか。 はいはい。シミュラークル現象。よくご存じで。でも残念。少し違うんです。 パレイドリア現象といいまして点描を錯覚してしまうのではなく模様だと分かっていても見えてしまう状態なんです。これは人間の脳に起因する現象でうわゆる「沼に嵌る」という言葉で言い表せます。 種明かしをしますとあちらのボトルはパレイドリアを誘発するように私が計算して配置しているんでよ。 ボトル・プルーフィングといいましてね。こちらの世界では一つの芸術になっています。 酩酊と耽美の類似性について沼に嵌るという観点でちょっとお話ししましょう。 これは興味深いテーマですが、少し難しい内容です。 わたしのおごりでお付き合いください。 酩酊とは、過度の飲酒や薬物の吸飲などで大脳が軽い麻痺を起こし、自己抑制や判断力が低下し、誇大妄想的気分になった状態を指す。一方、耽美は美的感覚や感情に没頭することを指す。沼に嵌るとは、趣味に熱中して抜け出せなくなる状況を指す。 これらの言葉には共通点があると言えます。例えば、酩酊や耽美、趣味に熱中することは、いずれも中毒性を持っている可能性があります。つまり、その刺激に溺れすぎると、自分でコントロールできなくなり、沼に嵌る可能性があるということです。 また、この共通点を逆手に取って、アルコール依存症や耽美な芸術に対する常習性の関係を探ることもできます。この考察から、一つの仮説が成り立つかもしれません。 アルコール依存症は、飲酒習慣を持たない人にとっても他人ごとではないと言えます。現代社会では、中毒性を持つ様々な刺激が日常的に存在し、その中にはアルコールも含まれます。うっかりしていると、その誘惑に屈して沼にはまってしまうことがあります。 「沼」とは、常習性の快楽に囚われる現象と定義されます。自力で深みから脱出できない状態は危険であり、恐怖を感じるものです。しかし、沼に対する恐れがあまりにも強くなると、新しい出会いや冒険を遠ざけることになります。人生には、適度な冒険が必要です。 したがって、沼にはまってしまう現象について自分自身の視点から考え、人生のバランスを見つけることが大切です。アルコール依存症だけでなく、その他の依存症にも同じことが言えます。自分のライフスタイルを見直し、健康的な生活習慣を築くことが、沼から脱出する一番の近道です。f45eea9d-72ba-4a70-a20b-76b4e3136ba7
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