人間の手がもう触れない

市川電脳之介主演

ニセ歌舞伎公演
市川電脳之介主演。近松ダウンロード座衛門原作・演出。『月の桂』という演目で、大奥の御台所を騙る女が、将軍と密会する場に、御台所の弟（実は女）が登場する場面があるのだが、この弟は女装して将軍の側に仕えることになる。
その女装した弟の役が、なんと「俺」だったのだ！ もちろん舞台の上でも、客席でも、「俺」は男だと思われていたし、俺自身も自分が男だとずっと思っていた。しかしよく考えてみれば、俺は女なのだから、女装してもおかしくないわけである。
幕が上がった瞬間、「あっ、俺！」と思った。