彼女の・・・。

2/3
前へ
/3ページ
次へ
本当に、そうだろうか。彼女は愛されていた。その愛は嘘ではなかったのだろう。それを感じたからこそ、5年も続いたのだ。狡いのはその男だ。2人の女性を同時に愛せた、その狡い心だ。 私は、彼女の問いには答えず、こんな風に答えた。 「私の弟・・・きっと年齢はあなたと同じくらい・・・、半年前に奥さんを事故で亡くしたの。今、すっごく落ち込んでるんだけど・・・よかったら、会ってみない?」 弟と彼女だったら、もしかしたらいいパートナー同士になるか知れない。心の優しい弟の事だから、お互いに心を開け合えるかもしれない。 「でも・・・私なんかでいいんですか?」 「ね、『私なんか』って言い方やめようよ。あなたはすごく可愛いし、魅力的!自分に自信を持って。1人の男に選ばれなかったことが、あなたの価値とイコールじゃないのよ」 「そんな風に考えられたら、いいですね。うん、そう思うことにします」 彼女は素直でいい子だ。弟とうまく行ったらいいんだけど・・・、キューピッド役、頑張るぞ!
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加