闇の手巻きシガー

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闇の手巻きシガー

昨日は21時 今日は20時 残業だ 人で混み合う帰りの電車が気持ち悪い 帰りに松屋でテイクアウト 牛丼完食後に煙草にマッチで火を付ける 「美味い」 「...」 黙々と換気扇を見詰めて考える 生きてても何もない ただ働くだけの生活だ 人生の楽しみ?食後の一服位だろう 自殺の決断前に気になる事があった 「最高の一服とは」 人を殺した後に吸う煙草はどんな味だろう 無敵に変貌した俺は迷う事なく1人殺る事にした 翌朝 5:00 コンビニでカップ麺にお湯を入れ一服した後 毎朝この時間を徘徊する爺さんを後ろから滅多刺しにした そして...丁寧に巻いたチョコレート風味の紙煙草に火を付ける 美味い 美味すぎる 「ウマす」 言い終える前に通りがかった大柄の男に押し倒されたが気にしなかった ただ指から離れ宙を舞う煙草だけを目は追っていた 爺さんが作る血溜まりに落ちたそれは シュッと小さく音を立てて鎮火した。
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