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目の前が真っ暗になった。
陽子先輩が隣で絶句している。
それはそうだ。こんなに無様に男に捨てられた後輩にこれ以上かける言葉も見つかる筈もない。
朝、芽生えた元気がみるみるしぼんでいく。
業務が始まったばかりだというのに、私はやましいことなど何もしていない筈なのに、この場から逃げ出したくてたまらない。
悔しいとか、辛いとかそういう感情よりも。
「……馬鹿みたい」
吐き出した言葉にはっとする。
いつの間にか会話は終わっていて、陽子先輩は部長に呼ばれ何か向こうで話をしている。
東さんも、自分の知り得た情報を他人に渡せてすっきりしたのか、自分のデスクについていた。
「本当に馬鹿、みたいだなぁ」
同じ言葉を2回繰り返して私は誰にも気づかれないよう、そっと顔を覆った。
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