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恐る恐る顔を視線を上げる。
森宮さんのと目が合う。
切れ長の綺麗な目。
優しくて、真剣な表情。
「今回の事は次、いい恋愛する為の布石やったんよ。もちろん、今そう思えなんて言わんよ。落ち込んでええ。泣いてもええよ。けどな、自分で自分の事を貶めるのだけはやめとき?」
「……」
「思ってることは口に出る。口に出たら行動に出る。知らず知らずの内に、辛い方へ、不幸になる道へ行ってしまうもんやで。俺は澄ちゃんが苦しい思いするのを見るんは嫌や。こんなええ子、本当は誰より幸せになるべきやって思うとる。だから、な? 俺からのお願い。澄ちゃんはちゃんと、自分を好きでいて欲しい」
「森宮さん……」
「大体なぁ。俺を見てみ? こないだの人妻の件、覚えとる? 阿保らしいうんはああゆう事を言うんやで。その点、澄ちゃんは偉いよ。相手の女の子をなじる訳でもなく。男を罵倒するでもなく。自分の所為や、って思ってるやろ」
「なんで、分かるんですか。達也や、櫻井さんに何も言ってないって」
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