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出会いを探して
翌朝、目覚めると私は自分のベッドにいた。
昨日会社に着ていった服のままだ。
少しシワになっているくらいで、大きな乱れはない。
半身を起こすとズキンと頭に痛みが走る。
これが二日酔いというものだろうか。
昨日、慣れないお酒を飲んだからだろう。自業自得だ。
「……森宮さん」
そうだ、昨夜は森宮さんが私の部屋へ来てくれた。
抱えていた事情を全て打ち明けると、森宮さんはよく頑張ったと言ってくれた。
それから、私はー……。
頭痛がする中、徐々に昨日の記憶力が甦る。
背中に回した手。
困り顔の森宮さん。
お酒の勢い任せて自分の口から出た言葉の数々。
ゆうべの彼との会話を、やりとりを思い出すにつれ、急速に胸の中が冷えていく。
自分のした、軽率な行動に頭を抱えた。
「……やっちゃった。何してるの、私」
◇
少し気だるい身体で、ゴミをまとめる。
今日は燃えるゴミの日だ。
アパートの敷地内の一角にゴミ置き場はある。
顔を洗い、部屋着に1度着替えて私は階段を下りた。
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