出会いを探して

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すごいなぁ。 どうして、こんなに周囲の色々な事に気づけるんだろう。 陽子先輩も、森宮さんも。 本当、敵わない。 「大丈夫だからね。ひとりじゃないよ、澄ちゃんは」 小声でかけてくれるその温かい一言に、心底私は安心したんだ。 ◇ 陽子先輩の行きつけのパスタ屋さんは2人でよく行く定食屋さんから少し離れた5階建てビルの3階にあった。 お冷を運んでくれた店員の女の子にお礼を言って、まずは2人でメニューを開く。 「今月のおすすめはウニクリームかぁ。やっぱ冬はクリーム系食べたくなるよね」 「陽子先輩」 「うん?」 額を出して、綺麗に後ろに流した先輩の髪が揺れる。 「本当にすみません。ありがとうございます」 「え?」 面食らった顔の先輩に私は続けた。 「いつもさり気なく助けてくれて、励ましてくれたり、アドバイスくれたり……。逆立ちしたって、陽子先輩には敵いません。今日も……。本当にありがとうございました。こんな後輩で、ごめんなさい」 「……」
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