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びっくりして思わず足を止める。
声は間違いなく、今しがた挨拶に向かおうとしていた左隣の部屋から聞こえてきた。
「私の事は遊びだったってこと?! ちょっと見てくれがいいからって調子に乗らないでよ!」
別に聞き耳を立てている訳ではないけれど、何分、壁が薄いので声がよく聞こえてしまう。
「アンタみたいな男、不幸になればいい!」
ガシャン! バタン!
何かの割れるような音と、激しくドアの閉められた音。
これって・・・・・・修羅場ってヤツだよね。
隣の部屋は今度はしんと静まりかえって、それがなんだかかえって怖い。
私と達也の場合日常の喧嘩はまぁしたけれど、最後はあまりの衝撃に彼に怒りの言葉をぶつけることはなかった。
ー不幸になればいい!
「すごい言葉だな」
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