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コツッコツッコツッ・・・・
今夜も私は奴らとの戦いに向け、背筋を伸ばした。
コツッコツッコツッ・・・・
ピタリッ!!!
扉の前で中の様子を窺う。
「スゥゥゥゥ・・・・ハァァァァ」
これから始まる攻防を前に呼吸と気持ちを整える。
玄関先で一つ深呼吸をした。
カチャリッ・・・・
パタンッ・・・・
開けた扉を後ろ手で静かに閉める。
まだ、気付かれてはいない様だ。
気配を消し、ゆっくりと暗い廊下から洗面室に向かった。
胸の鼓動が耳に響いている。
『くっ、苦しい・・・・』
そう、奴らに気付かれないように呼吸を止めているのだ。
パッ!
『あっ!しまったっ!』
廊下の足元センサーが反応してオートライトが点灯した。
『気づかれたっ!逃げられるっ!』
慌てて洗面室からキッチンへ向かった。
パッ!!
キッチンのダウンライトが点灯する。
サアァァァ・・・・
キッチンカウンター上のトレーに黒と白の無数の小さな奴らが明りから逃げる様にうごめいていた。
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