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そこにいる多くの人の視線を総合するに、その目が見つめるものは俺の右横で間違いない。
俺は右横を見たが、そこにはなにもなかった。
――なんだ、いったいどうしたんだ?
周りの視線に耐え切れなくなり、俺はそのまま会社に向かった。
すると前から来る人すべてが俺の右横を見て驚き、怯え、その場を小走りで立ち去るのだ。
それでも俺は会社に行った。
会社に行っても会う人一人残らず、街中の見知らぬ人たちと同じ反応をした。
親しい同僚に「おい、どうした?」と声をかけたが、一言も返さずにその場からいなくなるのだ。
気づけば俺以外の全員が早退していた。
――もうどうにでもなれ。
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