俺の右横

1/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
いつものように通勤でオフィス街を歩いていると、前の方がなんだか変な様子だ。 歩く人すべてが一点を見ている。 全員が酷い表情を浮かべながら。 立ち止まって見ている人も少しはいたがほとんどがある一点を見るとひどく驚き、怯え、目をそらして顔を伏せ、小走りになるのだ。 俺はみなが見ている方に目をやったが、そこにはオフィス街のビルの壁があるだけだった。 ――なんだ、みんななにを見てひどく驚いたり怯えたりしてるんだ。 その一点を見ている時、みんなの視線が移動していることに気がついた。 そしてその視線はある点に固定された。 それは俺のすぐ右横。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!