第3話~関係~

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百合家からすれば、都美のことは間に合っている。なぜなら、都香と都乃がいるからだ。 しかし、西条家は魔力を持っているのが、長男の類華だけなのだから間に合っていないのだろう。 この話を父と母から聞いた時、私たちは驚くと共に考えた。確かに百合家にとって人手は足りている。しかし、百合家で魔力を持たないのは、都美だけだ。少し心細い気持ちもあるだろう。 それを踏まえた上で、条件を出した。 条件その1 西条家の者が都美のことを馬鹿  にしたりしない。 条件その2 百合家の者が西条家のことを馬鹿にしたりしない。 条件その3 練習には真面目に取り組む。 条件その4 努力を怠らない。 条件その5 以上のことを破った場合は何かしらの処分を降す。 以上5つの事を条件として、西条家に持ちかけた。 西条家は相当困っているようで、了承した。 そして、5日後から共同練習は始まった。 西条家が百合家に出向いてくれている。 練習は順調に進んでいた。 しかし、1週間後。 「こんなのもう嫌だ!」 百合家の練習場に華火の声が響いた。 都香が尋ねる。 「どうしたの?華火ちゃん?」 華火はイラつているように答えた。 「どうしたのじゃないよ!なに?この練習メニュー、私たちを殺すき?1週間頑張ったよこんな、馬鹿げたキツい練習メニューにもさ!けど、一向に魔力は芽生えないじゃない!なんで?なんでなの!?答えてよ!」 都香はいつものように答えた。 「華火ちゃん、この練習メニューがキツのはわかる。けれど、耐えなくちゃ。魔力を芽生えさすのはそんなに簡単なことじゃないんだよ。」 確かに練習は、腹筋や腕立てのような一般人がするような基礎的メニューから魔力発動練習など、上級者向けのような物があった。 特に魔力発動練習は、発動方法を練習するのではなくて、実際に自分の中にある魔力をしっかりと注ぎ込み、発動させる練習だ。 魔力の芽生えていない子にとっては、1番辛い練習だ。 けれど、都香たち魔力が芽生えている子はこのような過酷な練習を自分なりに重ね合わせ、練習していたからだ。 その事を都香が伝えいると、後ろから都美の声が聞こえた。 「華火ちゃん、一緒に頑張うよ!」 都美の呼び掛けに付け足すように、日華も呼びかけた。 「そうだよ!お姉ちゃん!一緒に頑張ろうよ!」 2人の呼び掛けは華火の心には届かなかった。冷たい口調で言い返した。 「はぁ?良くそんな事が言えるね。私は!あんた達よりも沢山努力してきた!それでも!まだ、辛い思いしてまで『境界線』を目指さないといけないの!?ふざけないで!私はもう、関わらない。あんた達で勝手にやって。」 そして、華火は練習場を去った。
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