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それでも君はオシャレだね、と褒めてくれた。見た目に自信がないから着飾っているだけなのに。優しいね、と微笑んでくれた。素敵だね、と抱きしめてくれた。
なのにあのセリフは、隣にいる僕という存在を無下にされた気がした。言葉は形を持たないものの、時に人に勇気を与え、時に人を傷つける。それは発した本人には決して分からない。浴びた人間の感情に起因するものだ。だからこそ、僕は言葉を扱うのが苦手なのだ、と改めて思う。
「今日は何の日か、分かってる?」君は目の前で、口角を上げて、ご機嫌な口調をぶつける。
おそらくテーブルの下でバタバタしてるであろう期待の足が、僕のすっかりと生気を失った気弱な足にぶつかった。
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