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何もかも笑い飛ばすような君の声。白く柔らかい冬の光。賑やかなテレビの音。
昨夜、あのまま寝てしまったみたいだ。お昼のバラエティだろうか、高低の笑い声がテレビの方から聞こえる。その音よりも大きな彼女の笑い声が僕の耳を包む。まるで冬の澄んだ空に咲くよく爆ぜる花火のように、僕の鼓膜を暖かく響かせた。
「あ、起きた。起きるの遅いよ、もうお昼だよ」二つの丸い目を、すぐ横にいる僕の寝癖に向けた。
上機嫌の時には、彼女は語尾にフフッと小さな笑い声を添える癖がある。
「イタタタ⋯⋯。もうそんな時間か」起床の第一声、かすれた声で応対した。
ローテーブルに突っ伏したまま寝たために寝違えた首を擁護しながら、テレビの右上の時計の表示を見やる。「11:28」。本当にもう昼だ。ほの明るい冬の日光が僕の横頬をかすめていた。
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