落ちゆく月と最後の魔女たち

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 驚きに見開かれたたくさんの目が、責めるように三人を凝視している。 「なんで黙っていた?」  キーナは裏切られた気持ちでいっぱいだった。  レイアが話してくれなかった事が寂しかった。 「すまないねぇ、キーナ。ドラゴンとの約束だから、話せなかったんだ」  魔女はドラゴンとの約束を反故にしたりはしない。 「ならなぜ、そこの双子が知っている?」  自分を差し置いてアインとマーラが知っていることが怒りを増幅させていた。 「二人はその魔鉱石の相続者だからだよ」  キーナとは対照的にレイアは落ち着いた様子で語りかける。 「代々その魔鉱石とドラゴンを見守ってきたのは二人の血族なんだよ。もはや彼らの中で眠るドラゴンを見ることができる魔女は二人だけになってしまったから、全ては彼らの意志にゆだねられている」  キーナは少し落ち着きを取り戻しレイアを見つめている。 「かつてこの森もその洞窟も美しい小国リアリデアの一部だった。二人はその王家の血を引いている。私はその国の主席魔女だったから知ってはいるが、所詮部外者なので決定権はない」  師匠であるレイアに、二人は意見を求めてはくれるが、最終決定は彼らにしかできない。 「仲間が困っているのが分かっていて何を躊躇していた?」  キーナは二人に向きなおり問いただした。 「あれは、ドラゴンの世界の魔鉱石だから、使うためには人としての生を捨て、肉体からはなれなければならないんだ」  アインの言葉が魔女たちに与えた衝撃は大きかった。
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