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この冬初めての雪が降り始めた。
道や屋根にふわりと舞う雪が落ちてきたが、跡形もなく溶けて消えてゆく。
色とりどりの光が降り注ぐ街はにぎやかで、人々はいつになく心を弾ませていた。
その喧噪とはなれた森に小さな家が一軒あった。
ただの人には見つけることができない魔女の家だ。
ついこの間まで3人の魔女が暮らしていたが、今は1人が住んでいる。
今日を平和に迎えられているのは、魔女たちの力が大きかったが、それもまもなく終わりを迎えようとしていた。
寒い森に降る雪は、草木を白く染め始めている。
日が暮れ始めたころ、普段は誰も訪ねないその家に、魔女たちが続々とやってきた。
外には悲しみを感じ取った動物たちが集まっている。
普段は食うもの食われるものに分かれる彼らも、今は寄り添い魔女の家を見守っている。
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