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◆◆◆◆
廊下をひた走る。
階段を飛び降りるようにして降りると、再びボイラー室の前に立った。
「――成功してくれよ……」
俺は松脂のボールを取り出した。
小3の時に始めた野球。
肩が強かった俺は、ずっとピッチャーだった。
バッティングはどっちかっていうと―――。
『―――苦手だって?』
誰かの声がした。
『―――駿丘中学のエースが、笑わせんなよ』
俺はボールを握りしめた。
『大丈夫。自分を信じて―――』
宙に向かってそれを投げた。
『………打て!竹原!』
両手で竹を握りしめ、俺は狙いを定めた。
当てるのは炎が燃え盛っている松明の先端。
腰を捻らせ俺は、
思い切りボールを打った。
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