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目覚めるとそこは病院だった。
俺の手を握る泰造が、何やら大声で言っているが、よく聞こえなかった。
「祖父ちゃん、全部終わったよ……」
自分の声も出ているのか出ていないのかよくわからなかった。
しかしその言葉が聞こえたらしい泰造が、眼に涙を浮かべながらしきりに頷くのを見て、伝わったんだなと思った。
俺は天井を見上げた。
東京のあのきれいな病院で、湊斗も今頃、眼を覚ましているだろうか……。
会いに行こう。
確かめに。
次、再び目が覚めたら―――。
俺はそう心に決めて再び目を瞑った。
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