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夜道を歩いている。夜空の中から流れ星を見つけ、必死に願った。友達が欲しい。悩みを聞いてくれる友達が欲しい。どんなときでも助け合える友達が欲しいと。すると、突然わたしの頭上から何かが降ってきた。
降ってきたソイツは、自身のことをトモダチだと言う。お互い助け合おう、困ったときはお互い様だと満面の笑みで話す。どうやらわたしの願いが叶ったらしい。
そのトモダチは、わたしの悩みを聞いてくれた。わたしの心に付着していた汚れが、次々に落ちていく。トモダチによって拭き取られていくような感覚。話を聞いてくれるトモダチほど得難いものはない。
わたしの心の汚れを最後まで拭き取ってくれたそのトモダチは、今度は自分の悩みを聞いて欲しい、助けてほしいと言った。今、とても腹が減っているらしい。
わたしは近くのコンビニで何か食べるものを買ってくると告げ、トモダチに背を向けた。その瞬間、鋭い痛みが首の付け根あたりから走った。牙のようなものがわたしの体に食い込んだ。
トモダチは、わたしをむしゃむしゃと食べはじめた。
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